明
…「あかるいこと。人に見えないものを見る力」。
cf. 朱元璋が、元を滅ぼして新しい王朝を開く際に、白蓮教徒が崇拝した弥勒菩薩・弥
勒仏にちなんで名付けたものらしい。正式には大明。
弥勒は、サンスクリット語のマイトレーヤ Maitreya の音訳名で、漢訳名は慈氏。
これは、古いインドやペルシアの天空神ミトラ(サンスクリット語で「友愛」を意味
するので、「慈愛」に通じる。ペルシア語では「契約」)がルーツ。ブッダ以後の仏
教を補う未来仏とされる。ミトラはゾロアスター教成立以前は、アフラ=マズダと一
対の神であり、光明神・善神の性質も帯びていた。
なお、漢字の明は日と月でなく、窓から差し込む月明かりでものが見えることを示
す。これは、闇の存在が前提になっている光であり、光と闇の二元論宗教であるゾロ
アスター教を想起する。